登録抹消されることも!?危機遺産について。



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世界遺産とは、後世に伝えるべき文化遺産・自然遺産を認定し、保護することがその目的ですが、残念ながらすべての世界遺産が万全の状況で保全されているとは言えません。

世界遺産としての価値が危ぶまれる状態の物件を、『危機遺産』と呼びます。

 

■世界遺産条約

世界遺産はユネスコの発効した『世界遺産条約』の規定に沿って登録されますが、この条約の発効当初から、状態保全の難しい、危機的状況にある遺産の問題は提起されていました。

世界遺産が危機的状況に晒される原因は主に環境破壊と内乱等の戦争状態を上げることができます。

危機遺産は世界遺産に関する決定を担う世界遺産委員会の判断によって認定、「危険に晒されている世界遺産リスト」に加えられます。

当該物件がリストに掲載されると、世界遺産基金からの出資を含め、遺産の保全を行うための国際的な支援を受けられるようになります。

また、景観破壊等で世界遺産としての価値に危機が生じている遺産に対しては、周辺地域の開発への圧力にもなります。

 

■現在リストに掲載されている危機遺産の例

【環境や自然の破壊で危機に瀕している物件】

・チャン・チャン遺跡地帯:
南米ペルーに9世紀から15世紀にかけて存在したチムー王国の首都の遺跡。
日干し煉瓦で造られた建物によって構成されていますが、潮風による塩害等で建材が劣化し、危機的状況にあります。

・カフジ=ビエガ国立公園:
コンゴ民主共和国東部に位置する国立公園。
貴重なゴリラの生息地として知られていますが、人間の観光客によって持ち込まれた風疹・はしか等の伝染病に罹患して死亡するケースが多発しゴリラの数が減少、世界遺産としての価値が危ぶまれています。

【戦争や内乱に巻き込まれている物件】

・エルサレムの旧市街とその城壁群:
イスラエルの東部に位置する都市。
1981年に世界遺産登録されましたが、長年、帰属問題で政情不安の続いている場所であるため、その翌年には危機遺産リスト入りし、現在最も長期間リストに掲載されている物件となっています。

・バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群:
アフガニスタンのバーミヤン渓谷一帯にある石仏や石窟絵画等の仏教文化の遺物。
イスラム主義運動勢力のターリバーンに占拠され、貴重な石仏が爆破された事件は記憶に新しいところです。

危機遺産リストに掲載された後、世界遺産の登録を抹消された事例も存在します。

ドイツにあるドレスデン・エルベ渓谷はエルベ川沿いに展開する文化的景観が評価されて世界遺産(文化遺産)に認定されていましたが、後に予定されていた橋の建設が景観を破壊するという懸念から危機遺産リストに掲載され、その後橋の建設中止が見込めないという理由から、世界遺産登録が抹消されました。

 

■おわりに

世界遺産はどれひとつ取っても、人類が後世に残すべき貴重な文化や自然です。

世界遺産を保全する国際活動がより活発化することを期待したいですね。

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