平和への祈りを込めて……負の世界遺産とは。



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世界遺産、という言葉に皆さんはどのような印象をお持ちになるでしょうか?

おそらく、多くの方は美しい自然の風景や、目をみはるような遺跡の姿を思い浮かべるかと思います。

しかし、世界遺産にはそのような物ばかりではなく、人類が忘れてはいけない、過去の悲しい出来事を記録するために登録されている物もあります。

そのような物件を『負の世界遺産』と呼びます。

 

■悲劇の遺産

人類史において、戦争や人種差別によって繰り広げられた悲劇は枚挙にいとまがなく、その舞台となった地域や建築物には、当然現存しているものも数多く存在します。

そのような歴史的遺産の呼称として『負の世界遺産』という言葉が用いられていますが、これはユネスコによる公式の分類ではありません。

公式の分類ではありませんから、登録の為の明確な基準が存在しているわけでもありません。

一般的には全部で10項目ある世界遺産登録基準のうち、その第6項を含むか、それのみの適用によって世界遺産に登録された物件が『負の世界遺産』と呼ばれます。

世界遺産登録基準の第6項は以下の通りです。

(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と、直接にまたは明白に関連するもの

ただし、第6項を含むか、もしくはそれのみで登録された物件でありながら『負の世界遺産』には含まれないものも存在します。(アメリカの独立記念館等)

 

■負の世界遺産

『負の世界遺産』の代表的なものには、次のようなものがあります。

・アウシュヴィッツ=ビルケナウ ナチス・ドイツの強制絶滅収容所

ナチス・ドイツが民族浄化を目的として、ユダヤ人の弾圧・虐殺を行ったことで知られる強制収容所です。

その犠牲者の数は諸説ありますが、400万人以上に及ぶと推定されています。
 

・原爆ドーム(広島平和記念碑)

米軍による広島への原爆投下時、かろうじてその形状が残された建物(広島県産業奨励館)の残骸。

核兵器の悲惨さを伝え、廃絶を祈るシンボルとして世界に知られています。
 

・ビキニ環礁の核実験場跡

太平洋上に位置するマーシャル諸島に属する環礁(円環状のサンゴ礁のこと)。

1946年から1958年にかけてここを実験場としたアメリカ軍の核実験が計23回にわたって実施されました。

1954年3月1日に行われた水爆実験では海底に直径2kmのクレーターが生じ、日本の漁船、第5福竜丸が死の灰を浴びて被曝しました。

 

■おわりに

負の世界遺産は人間の歴史の暗部として、平和希求のためにも、決して目をそむけてはいけない物なのかも知れません。

新たな負の世界遺産が生まれないことを祈るばかりです。

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