とっても気の長い話? 世代宇宙船の話



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宇宙空間は極めて広大で、隣の星に行くのに光の速さでも数年単位の時間がかかります。

遠い将来、人類が太陽系の外へ進出する際に、最大の壁になるのは、この距離の問題でしょう。

この問題をクリアするために考えられたアイデアが世代宇宙船です。

 

●長大な宇宙移民計画

相対性理論に基づけば、質量のある物質は光の速さ(光速)を超えることが出来ません。

まして、宇宙移民船ともなれば膨大な積載物を積んで航行することになるでしょうから、通常考えられる加速の方法では亜光速の速さに達することも至難の業であり、革命的な技術革新でも起きない限り、現実的な話にはなりえません。

太陽に最も近い恒星、ケンタウルスのアルファ星(太陽からの距離:4.39光年)に到達するために第3宇宙速度(太陽系を離脱するのに必要な速度)でも770世紀以上の年月がかかります。

この距離の壁を超えて太陽系外に人類が進出するための現実的な手段として考えられたアイデアはいくつか存在します。

・冬眠船

人間を人工冬眠状態で輸送するというアイデアです。

映画『2001年宇宙の旅』には、航行中のエネルギーや物資の消耗を抑えるために、一部乗組員を人工冬眠状態で運ぶという描写が登場します。

このアイデアには安全上、様々な危険性があることが考えられます。

宇宙空間の素粒子や放射線は宇宙船の設備を通過して凍結した人体を破壊する可能性が高く、それらを完全に技術が確立していることが実現の必須条件となるでしょう。

・遺伝子運搬船

人間の遺伝子データや凍結した精子・卵子を運搬し、目的地で人間を再生するというアイデアです。

この方法であれば人間を運ぶ必要がありませんから、宇宙船のサイズをかなり抑えることが可能になります。

ただし、冬眠船同様に安全性の問題が考えられる他、遺伝子からの再生そのものを可能とする技術や再生後の教育の問題など、原理的・技術的に克服すべき問題点が多いのも確かです。

 

 
●世代を超える宇宙移民

確かに1世代で宇宙移民を成し遂げようとする限り、上記されたような問題点は常に付きまとうことになります。

しかし、世代をまたぐ事を考えてみた場合、どうなるでしょうか。

つまり、初代の乗組員が生きている間に目的地へたどり着くのではなく、乗組員が何代も世代交代しながら、長い航海を乗り切ろうというアイデアです。これが世代宇宙船です。

言い換えるなら、スペースコロニーのような宇宙に居住するための環境を築いて、それ自体を移民船として利用しようということになります。

その想定規模は極めて巨大なものになります。

移民団が何十年・何百年と世代を超えながら宇宙船の中で居住する必要があるわけですから、そのためにはひとつの都市に匹敵するような規模の宇宙船が必要になります。

巨大な宇宙船を動かすための推進力や、都市ひとつを維持できるだけのエネルギーが必要になることも問題です。

通常のロケットのような化学燃料などではとてもまかなえません。

原子力や核融合ロケットなど、推進力の高い機関が必要とされるでしょう。

世代宇宙船は、数多くのフィクションで描かれていることでも知られます。

ロバート・A・ハインラインの『宇宙の孤児』やアーサー・C・クラークの『遙かなる地球の歌』と言ったSF小説、アニメ作品としては『メガゾーン23』や『マクロスシリーズ』が有名ですね。

 

■おわりに

人類は発祥の地であるアフリカを離れ、移民を繰り返すことで地球上にその生存圏を広め、文明を築いてきました。

いつか、太陽系を離れて宇宙全体へ進出していく時がくるのでしょうか?

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