惑星? それとも準惑星? 冥王星をめぐる話



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2006年、太陽系のある天体が世界的話題になりました。

それは、かつて太陽から最も離れた軌道を公転する惑星として知られていた冥王星が、その基準を見なおされ、準惑星として規定されなおしたという話題です。

なぜ、冥王星は惑星から準惑星に再規定されたのでしょうか?

 

●名付け親は11歳の少女だった

冥王星は20世紀に入ってからアメリカの天文学者パーシヴァル・ローウェルがその存在を予想し、1930年にクライド・トンボーが発見した天体で、現代で言うところの太陽系外縁天体としては初めて発見された天体です。

ちなみに、『ジュピター』で有名になったイギリスの作曲家グスターヴ・ホルスとの作品、組曲『惑星』は1914年~1916年にかけて製作されているため、『冥王星』という曲は作られていません。(後世、別の作曲家が作った曲は存在します)

ローウェルの死後になって新たに発見されたこの天体の命名権は、発見者トンボーが所属していたローウェル天文台の所長、ヴェスト・スライファーにありました。スライファーは様々な名称を検討しましたが、採用に至るアイデアはなかなか出ませんでした。

『冥王星(Pluto)』の名を発案したのは、11歳の少女、ヴェネチア・バーニーでした。

彼女は天文学とローマ神話・ギリシア神話に興味を持っており、新しく発見された天体にPlutoと名付けることを思いつき、図書館長だった祖父に伝えます。

バーニーの祖父はそのことを知り合いの天文学者ハーバード・ターナーに伝え、更にそれを聞いたスライファーが正規にその名称を採用するに至りました。

『Pluto』の和名である『冥王星』は、英文学者・野尻抱影の発案によるものです。

もうひとつの候補であった『幽王星』と共に雑誌の誌面で提案されましたが、英名の『プルートー』と並用されたため、公式にこの名前が和名と決定されたのは中国で『冥王星』の表現が採用された後になりました。

 

 
●なぜ、惑星から準惑星に?

冥王星は直径2,320kmの天体です。地球の衛星である月の直径が3,474.3 kmですから、月より小さな天体ということになります。

冥王星は5つの衛星を伴ってます。最初に発見された衛星カロンの直径は冥王星の半分以上もあり、この二つの天体を二重天体と表現する場合もあります。

かつては惑星とされた冥王星がなぜ準惑星として再規定されたのでしょうか?

一般的にはそのサイズが問題にされたという見方が強いかもしれませんが、実は冥王星が準惑星とされたのは、まったく別の基準によるものでした。

2006年に行われた国際天文学連合(IAU)によって、太陽系における惑星の定義が決定されました。

その定義とは以下のようなものになっています。

1.太陽を周回する軌道上にあること

2.自らの質量によって球形を形成していること

3.近隣の天体を一掃していること

同時に準惑星の定義も決定されているのですが、惑星との最大の違いは3番目の定義です。

惑星は自身の質量で近隣の小天体を衛星にするなど、その存在を排斥して公転軌道上唯一の天体である必要があります。

しかし、冥王星はエッジワース・カイパーベルトと言われる太陽系外縁天体によって形成される天体群に近く、公転軌道を小天体と共有しているのです。

冥王星の定義についてはいまだ準惑星とすることに反対する意見も多く、議論が続いています。

今後も議論は続くでしょうが、惑星の定義が大きく変わることが無い限り、科学的には冥王星を『準惑星』とする規定が変更されることは恐らくないと思われます。

 

■おわりに

冥王星は多くのフィクションでも題材にされた有名な天体であるだけに、定義の変更は多くの人にショックを与えました。

皆さんはどうお考えになるでしょうか?

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