染色体異常が自己修復 山中伸弥教授、iPS細胞研究で新発見



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2012年、『iPS細胞(induced pluripotent stem cell)』の研究成果によって京都大学の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞したことは、いまだ記憶に新しいところですね。

今後の医学の進展に大きく貢献するであろうiPS細胞ですが、2014年1月12日、山中教授の参加する研究グループが、新たな研究成果を発表して話題になりました。

 

●万能細胞とは?

人体を構成する細胞は、それぞれの部位の組織によって役割が決まっており、ある細胞をそのまま培養しても、他の組織の細胞とはなりません。

これは、人間の成長の段階において、それぞれの細胞がその部位の役割によって、どのような組織に構成するのか分化されるためです。しかし、受精卵の状態では、この分化が起きておらず、従ってどのような体組織の細胞としても培養可能ということになります。

万能細胞とはこの未分化の状態の細胞であり、病気やケガで失った身体の部位を再生させる再生医療においては非常に重要な役割を果たします。

万能細胞として研究されていたものには、iPS細胞以前にも『ES細胞(embryonic stem cell)』、があります。

日本語に翻訳すると『胚性幹細胞』となります。

胚性幹細胞はもともと細胞が未分化の状態の受精卵から作り出すものです。

そのため、ES細胞を作ろうとする場合、人間の受精卵を殺す必要がありました。

これには倫理面での問題があるとされ、万能細胞による再生医療の実用化の歯止めとなってきました。

 

 
●iPS細胞を染色体医療に応用。

平成18年、京都大学再生医科学研究所教授だった山中伸弥教授と高橋和利特任助手はマウスの体細胞に、細胞の分化状態を初期化する因子となる遺伝子を導入することで、『誘導多能性幹細胞』=iPS細胞を作り出すことに成功しました。

iPS細胞はES細胞とは違い、人体の皮膚組織の細胞からでも作り出すことが可能で、ES細胞のネックであった倫理面の問題をクリアすることが可能です。

この研究成果を認められ、山中教授は2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

2014年1月12日、山中教授の参加するアメリカのグラッドストーン研究所の研究グループが、染色体異常の患者の細胞からiPS細胞を製作した際、その染色体異常が自動で修復されることを発見したと発表しました。

染色体とは細胞にある生体物質で、遺伝情報の発現と伝達の役割を担うものです。

棒状の染色体が2本で1対となり、人間の染色体は22対44本+性染色体2本の、計46本が存在します。

サンプル提供をした患者の染色体は、対になる2本のうち一本の染色体がリング上になってしまう『リング染色体』という異常がありますが、この患者の細胞から15株のiPS細胞を作成したところ、そのうち10株で異常のあった染色体が正常な形に再生していることが確認されました。

ただし、完全に再生されるわけではなく、通常両親から一本ずつの染色体を受け取り一対となるものが、片親からのみ染色体を受け取る形になってしまうため、染色体異常のリスクが完全に修復されるわけではないということです。

研究チームでは染色体の自動修復という機能に注目しており、今後安全性の確認を取って行きたい考えているということです。

 

■おわりに

『iPS細胞』の頭文字『i』が小文字表記になっているのは、山中教授がアップル社のデジタルオーディオプレイヤー”iPod”のように普及して欲しいと願ってそうした、という逸話は有名ですね。

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