一緒に飛べば気持ちが分かる……渡り鳥のV字編隊の理由



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夕焼け空を渡り鳥たちがVの字の編隊を組んで飛んで行く…

…映画やドラマなどで時折見かけることのある、印象的なビジュアルです。

渡り鳥たちが何故、あれほど均整の取れたV字編隊を組んで飛ぶのかについては、翼が起こす気流を利用し合い、体力の消耗を抑えるためと考えられていましたが、その詳細なメカニズムは不明でした。

その謎を、発想の転換でクリアした、ある研究についてのお話です。

 

●Vの字の頂点にいるのはリーダーじゃない?

渡り鳥がV字編隊を組んで飛ぶのは、長距離飛行による体力の消耗を出来るだけ抑えるためと考えられています。

編隊を組めば斜め前方を飛ぶ鳥が起こす気流を利用することが出来、その分、後ろを飛ぶ鳥は体力の消耗を抑えることができるわけです。

後ろに位置する鳥ほど、前からの気流を利用できることになりますから、編隊の後ろの方ほど楽に飛べるということになり、逆に先頭の頂点部分に位置する鳥はもっとも飛行に体力を必要とするということになります。

V字編隊の先頭(頂点部分)を飛んでいるのが群れのリーダーと考えている人も多いかもしれません。

しかし、実際にはそういうことはなく、先頭部分の個体はしばしば入れ替わります。体力を消耗した個体は群れの後ろに下がり、代わりに体力のあるものが先頭に立つわけです。

渡り鳥の編隊は、人間の目から見れば非常に秩序だって美しいものに見えますから、その並び方に群れの序列が影響していると考えてしまいがちですが、鳥たちはもっと現実的な理由から、あのような編隊を組んで飛んでいるのです。

 

 
●ウルトラライトプレーンで並走飛行して確認

鳥が飛行する際、翼端で生じる気流=『翼端渦流』は飛行機でも同じ現象が生じます。

しかし、鳥がこの気流を飛行に利用するためにはひとつの問題が生じます。

それは鳥が飛行機とは違い、翼を上下させることで飛行しているということです。

鳥は翼を動かして飛んでいます。そのため、翼を動かすと同時にその高度は絶えず上下することになります。

飛行機の固定翼から発生する翼端渦流とは違い、鳥の起こす翼端渦流は複雑に変化することになります。

調査を行ったロンドン大学のSteven Portugal博士は、絶滅危惧種でもあるホオアカトキの身体にGPSを付けてデータを収集すると共に、ウルトラライトプレーンで編隊と平行に飛行、ホオアカトキの編隊が飛行する様子の詳細を観察しました。

その結果、ホオアカトキは自分の編隊の前を飛ぶ個体の動きを観察し、その動きに合わせ、一定の間隔で羽ばたきをずらして飛行していたことが判明しました。

その観察結果をまとめたのが、以下の動画です。

博士はホオアカトキが群れの状況や個体同士の間隔の差など、微妙な違いを感知し、もっとも良いタイミングで羽ばたく能力を有しているとし、この調査結果が将来鳥型ロボットを開発する際、その編隊飛行に応用できるかもしれない、とも語っています。

 

■おわりに

鳥の群れがそれほどまでに高度な編隊飛行をしているとは、驚きですね。

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