痛みとかゆみは別々の感覚? かゆみのメカニズムに関する研究



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冬場の乾燥肌、つらいですよね。夜中、乾燥した肌がかゆくてかゆくて眠れない……そんな経験をしたことはありませんでしょうか?

従来、”かゆみ”とは痛覚の一種であると考えられて来ましたが、2013年5月に、その説を覆す新たな可能性が発見されたことが発表されました。

●『かゆみ(痒み)』の定義

かゆみ(痒み)とは、皮膚と眼瞼結膜、そして鼻粘膜に生じる感覚で、引っ掻き反射(脊髄節間反射のひとつで、刺激を取り除こうとする行動、つまりかゆいところを掻く行動のことです)を引き起こす特徴があります。

旧来、”かゆみ”は痛覚神経が感じる”弱い痛み”であると考えられてきました。

それは、痛覚とかゆみとでは、共通する要素が多く見られるためでした。

・局部麻酔をすると、痛みとかゆみが最初に消える
・末梢神経を圧迫した場合、痛みとかゆみは最後まで残る
・先天性無痛症の患者はかゆみも感じない

一方で、痛みとかゆみには明らかに異なる要素もあります。

・痛みはかゆみを感じる部位以外の場所にも感じる
・皮膚を除去するとかゆみは感じなくなるが痛みには敏感になる
・モルヒネは鎮痛作用があるが、逆にかゆみには過敏になる

従来、痛みとかゆみは共に外部からの危害に対する反射作用と考えられており、両者は同じ痛覚神経を通じて感覚するものと考えられてきましたが、2009年に、かゆみは痛覚神経とは別の神経系で伝達・感覚されていることが脳の活動の観察から判明しました。

ただし、ヒスタミンというかゆみを引き起こす物質が痛覚にも反応したり、逆にカプサイシンなどの痛覚を刺激する物質の影響がかゆみにも現れるといった事実もあり、この2つの感覚は複雑に関係しあうものであると現在でも考えられています。

●心臓から分泌される物質がかゆみの原因?

アメリカ・メリーランド州ベセスダにある国立歯科・頭蓋顔面研究所(NIDCR)のマーク・フーン博士を中心とする研究グループは、ヒトとマウスの類似性に着目し、マウスのかゆみのメカニズムを研究した結果、その原因とも言える物質の発見に成功したそうです。

研究チームの発表によれば、かゆみを引き起こす原因となっているのはB型ナトリウム利尿ペプチド(NPPB)と言われる心臓から分泌される物質であるということです。

このNPPBはもともと、腎臓から排出されるナトリウム量を調節するためのものと言うことが知られていますが、研究チームはこの物質がかゆみを感じる細胞からも検出されていることに目を付け、実験を行いました。

マウスを使った実験の結果、NPPBを脊髄と他の神経が連絡しあう部位に注入した場合、マウスが身体を掻く高度を取ることが判明しました。研究チームはマウスの遺伝子を操作し、NPPBを持たないマウスを作って、これにかゆみを引き起こすとされる化合物を使ってみたところ、まったく身体を掻くという行動を起こさなかったそうです。

フーン博士は、元来かゆみとは無縁の機能を持つことで知られていたこの物質がかゆみの伝達に影響していたことに驚き、他にも体内にはまったく別々の用途に同じ物質が用いられる可能性は高いと言っているとのことです。

●おわりに

夜中に蚊に刺されたり、乾燥肌でかゆくなるのは本当に辛いですよね。

この研究が画期的なかゆみの治療法が発見されるきっかけになればいいのですが。

 

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