聖書の記述よりも遅かった? ラクダの家畜化の時期を特定



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ラクダは中近東からアフリカにかけ、家畜として使役されている大型草食獣です。

同地域におけるラクダの重要性は、聖書にラクダに関する記述がいくつも見いだせることからも理解できるでしょう。

最新の研究で、ラクダが家畜された時期が特定できたようです。

●ラクダを針の穴に通すよりも大変なこと?

ラクダと言えば背中のコブが最大の特徴です。

ラクダのコブの中には水が貯まっており、長期間水を飲まなくても生きていけるとも言われますが、これはあくまでも俗説です。実際には、あの背中のコブの中身は脂肪です。

コブの中の脂肪はエネルギーとして蓄えられている他にも、断熱材としての効果もあります。

ラクダはほとんど汗をかかないため、炎天下の砂漠で日光の直射を受けると体温が上昇しすぎてしまう恐れがあります。コブの中身の脂肪は、この日光の直射をさけて体温の上昇を抑えるのに役立ちます。

コブに大量の脂肪が蓄積される代わりに身体の他の部位には皮下脂肪があまりついていません。

つまり、ラクダは他の動物であれば全身についてしまう皮下脂肪をコブ部分に集中させているとも言えます。

出生時には、このコブには中身がなく、たるんだ皮の状態で生まれてきます。

ラクダは高温でかつ乾燥した環境に適応した動物であるため、中近東やアフリカでは重要な家畜として昔から使役されてきました。

そのことは旧約・新約の聖書にも記述があることからうかがい知ることができます。

聖書にはヒトコブラクダに関する記述が47箇所にわたって確認することができます。

その中には家畜化されたラクダに関する記述もあります。
 

創世記24章11節には

「彼はラクダを町の外の、水の井戸のそばに伏させた。時は夕暮で、女たちが水をくみに出る時刻であった」

という一説があります。

聖書に登場するラクダで一番有名なのは、マタイ伝19章23,24節に登場する『ラクダと針の穴』の話でしょう。

そこでは、イエスが弟子たちに金持ち(傲慢な者)が天国に行くことはラクダが針の穴を通るよりも難しいことだと諭しています。

●銅運搬に使役されたラクダ

ラクダが家畜化された時期については、聖書に記述があることから、これまで聖書が編纂された時代と同時代であると考えられていました。

専門家はその時期を聖書中の創世記の内容や現在のシリアに当たる都市国家の遺跡から出土した石板の記述から、紀元前2000年から1500年辺りと推測していました。

しかし、イスラエルのテルアビブ大学の研究チームが地中海東沿岸の遺跡から出土放射性炭素年代測定法を使って調べたところ、ラクダが家畜化されたのは、これまで考えられていたよりも数世紀以上後の時代、紀元前1000年前後に絞り込めたと発表しました。

この時代はエジプトがこの地域を侵略した時代とも一致しています。

研究チームはエジプトが同地域を侵略した後、銅精錬の事業を興し、それまで運搬用に使役されていたロバなどよりも輸送力に優れたラクダを採用したと考えています。

このことは、ラクダが家畜化された時代に関する推測を改めるばかりでなく、聖書の編纂・成立した時代も、当初思われていたよりだいぶ新しい時代であったことを示しており、研究者たちの注目を集めています。

●おわりに

筆者は子どもの頃、ラクダのコブには水がたっぷり入っていると信じていましたが、皆さんはいかがでしょうか?

 

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