宇宙最古?131億年前の銀河を発見。
私たちの宇宙が今から約138億年前、ビックバンと呼ばれる爆発的事象によって誕生したというのは、今ではすっかり定説になっています。
2013年10月に、そのビックバンから7億年後の今から131億年前に誕生した銀河が発見されたというニュースが、テキサス大学の研究チームが発表しました。
■そもそも銀河とは何か。
銀河とは天文用語で、恒星を始めとする大小様々な星や、ガス状の星間物質などが重力によって引き寄せられ拘束された、巨大な天体を意味します。
地球を含む銀河は銀河系、または天の川銀河とも呼ばれています。
古来より、夜空にかかる光の帯の存在は知られていましたが、この光の帯=天の川が無数の星々の集まりであることを提唱したのは、古代ギリシアの哲学者であるデモクリトスでした。
その後、17世紀になってからイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を用いた観測を行い、デモクリトスの提唱通り、天の川が星の集まりであることを確認しました。
18世紀になると哲学者のカントによって、天の川が太陽系と同じように無数の星が円盤状になって回転している可能性を示し、その後イギリスの天文学者ハーシェルが計数観測を行ってこの説を裏付けました。
現在では銀河系は典型的な渦巻き銀河であることが判明しています。
また、その年齢は約129億年であると推測されています。
■最古の銀河とは?
今回発見された最古の銀河は、ハッブル宇宙望遠鏡の観測によって発見され、「z8_GND_5296」と名づけられました。
過去に観測された銀河としては地球から最も遠く、その誕生はビッグバンの7億年後、131億年前であることが判明しています。
これは2012年にすばる望遠鏡によって発見され、それまで最古の銀河とされていた「SXDF-NB1006-2」の記録を上回るものでした。
新たに発見されたこの最古の銀河にはもうひとつ、際立った特徴があります。
この銀河の中心部では、実に天の川銀河の150倍ものスピードで星が誕生しているというのです。
現在観測できるこの銀河の姿は約131億年前のものですから、それはビッグバンから7億年後に活発な天体活動がこの宇宙で起きていたことの証明となります。
発見チームの研究者は、この銀河の発見を宇宙の成長過程の謎をひも解く大きな手掛かりとなるして、今後の研究に期待を寄せているそうです。
■おわりに
100億年以上も昔の話なんて、なんだか気の遠くなりそうな話ですよね。
これから、宇宙のどんな謎が解き明かされて行くことになるのでしょうか?
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